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その咳や痰「肺の生活習慣病」のサインかも?
たばこがもたらす病気といえば肺がんを一番に思い浮かべますが、肺がん以上に発症する人が多いのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。
肺の生活習慣病といわれるCOPDの影響は全身にも及ぶので、早期発見・早期治療が大切です。
進行すると日常生活に支障が出てくる
COPDは、たばこの煙しんなどの有害物質を長い期間吸い込むことによって、気管支や肺に炎症が起こる病気です。初期には、咳や痰がしつこく続いたり、階段を上るときなどに息切れしたりします。さらに症状が進むと同世代の人と歩いていても遅れてしまう、といった症状が現れます。しかし、これらはありふれた症状であるため、「たばこのせい」あるいは「年のせい」などと思い込み、見過ごされるケースが少なくありません。
何も治療を受けずにいると、知らず、知らずのうちに病気は進行しています。やがて、平地を歩いていたり座っていても息切れがする、会話や食事のときに息切れがする、息切れのために外出ができないなど、日常生活に支障を来すようになり、QOL(生活の質)が著しく低下します。
高血圧症、糖尿病などを合併しやすくなる
COPDを起こすと、肺だけでなく、全身にも悪影響力が生じることがわかってきました。例えば、患切れがするため運動不足になりやすく、筋力の低下をもたらします。さらに、外出を控え、家にとじこもりがちになり、気持ちが落ち込みやすくなります。
また、COPDがあると、骨粗しよう症、高血圧症、動脈硬化症、糖尿病、消化器疾患などを合併するケースも多いこととがわかっています。インフルエンザ・肺炎などの感染症にもかかりやすくなるので、予防接種を受けておくことも大切です。
現在喫煙している人はもちろん、過去に喫煙していた人も症状の有無にかかわらす、一度、呼吸機能検査を受けることをおすすめします。呼吸器内科のほか、最近では一般の内科でも検査を行うところが増えています。
COPDの治療や予防の第一歩は禁煙から
COPDを予防するには、主な原因である喫煙をすぐにやめること。これは、治療の第一歩でもあります。
禁煙に遅すぎるということはありません。何歳になってかう始めても禁煙の効果は得られます。
最近は、ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助剤が薬局などで売られています。一人で禁煙するのが難しい場合は、禁煙外来を受診して指導を受けるのもよい方法です。
5月31日は世界禁煙デーです。喫煙している人はこれを機に、禁煙してみてはいかがでしょう。禁煙方法などがわからないときは医師や薬剤師にご相談ください。